【 MY NOTE 】

MY NOTE:つれづれと綴るもの。


金融の道徳 その2  2017/04/01(土)
金融の道徳  2017/03/28(火)
レモンチーズケーキとオヤ  2017/03/21(火)
リボンのラリエット  2017/03/13(月)
作者の趣味丸出し  2017/03/10(金)


金融の道徳 その2
私が高校一年生の頃、世界史の担当教員不足が起こり、
私のクラスは一年間にわたって非常勤の先生が短期で教えに来られたり、
日本史の先生が代わりに授業をしたりということがありました。
(よく考えたら私立校だったのにええのか?)


高校一年生の世界史というと、古代文明から順を追って授業が進んでいく。
ユダヤ人の王国の話になったとき、私はかねてから持っていた疑問を先生に投げかけました。

なぜユダヤ人は迫害されたのか、ということでした。


なぜユダヤ人は嫌われ者だったのだろう。
どうしてヒトラーは彼らを憎んでホロコーストに至ったのだろう。
史実としてそういう事実があったのは知っていましたが、その根幹の理由がよく理解できていませんでした。

長く国を持たない流浪の民族であることも表面上は知っていたけれど、
流浪の民族が、自分はユダヤ人であるといつまでも自覚し続けられるものなの?
戸籍も、それを管理する政府もなければ、やがて流浪先の土地の民族と融合して
自分はユダヤ人であることなんて忘れてしまうんちゃいますの?

とその時の代理だった日本史の先生に質問したけれど、
いまいち納得のいく答えを得られませんでした。(先生ごめんね)

これが本来の世界史の先生だったなら的確に答えてくれたんでしょうか。


今であればYahoo知恵袋くらいに投稿すれば親切な誰かが答えてくれるでしょうが、
その当時そんな手段はなく、私の疑問が解決されるにはまだしばらくかかりました。

色々本を読んで自分なりに納得したその理由とは、
すなわち宗教的確執が歴史を作ってきたのだということでした。




ユダヤ人は長い歴史を持つ民族でかつ、苦難の多い人々でもありました。

始祖アブラハムから現在のパレスチナ近辺で集落を構えて暮らし始めたものの、
紀元前17世紀頃におそらく環境的な問題でエジプトに移住せざるを得なくなる。

エジプトに移ったら移ったで、王国の脅威になる可能性のある異民族として嫌われ、奴隷としてこき使われました。

やがてモーセが登場し、ユダヤ人たちは導かれて集団でエジプトを脱出する。

再びパレスチナ近辺に戻り、ダヴィデ王、ソロモン王の登場を経て、ユダヤ人の王国は最盛期を迎える。
しかし偉大なソロモン王の死後、王国は南北に分断し、
北のイスラエル王国はアッシリアに滅ぼされ(紀元前721年)、南のユダ王国も新バビロニア王国に敗れる。
紀元前587年にあった、有名なバビロンの捕囚でユダ王国の人々はバビロンに奴隷として捕らわれ、完全に国を失ってしまう。

新バビロニア王国をアケメネス朝ペルシアが滅ぼした後、解放されたユダヤ人たちは故郷に戻るけれど、
ペルシアに支配され、宗主国が代替わりしていき、最終的に古代ローマ帝国の属州となり下がる。

紀元66年年頃にローマ帝国への反乱を起こすけれど、鎮圧され、自治権まで失い民族は激しく弾圧される。

このような歴史の流れの中で、ユダヤ人たちはヨーロッパや中近東に離散していくことになります。


けれど民族は離散したのに自分たちはユダヤ人だということは決して忘れなかった。
それはなぜか。

宗教による結束がとても強かったからでしょう。


ユダヤ教は選民思想の宗教だともよく言われますが、
自分たちは神と契約した選ばれた民族であるという前提から、神への堅い忠誠、信仰心を誓っている。

私が勝手に疑問に思っていた民族を忘れることなんてとんでもない、ということなのですね。


強い信仰によって結束された民族は、排他的でもあり、放浪していながら決してその土地の人間たちと交わることはなかった。


一方で、他民族にとってもユダヤ人は非友好的なよそ者でしかなかった。


中世のヨーロッパにおいてはユダヤ人たちは、封建制度の外側にいたため、
土地を借りて農業を営むこともできず、
商工業ギルドに加入して職人として生きることもできなかった。

また、キリスト教徒においては、ユダヤ人はイエス・キリストを処刑に至らしめた責任のある民族だとみなしていたので
宗教的な意味でも、ヨーロッパ諸国においてユダヤ人は忌み嫌われ、迫害されました。

ユダヤ教では現在でもイエスを救世主とは認めていないので、キリスト教徒にとってはその点も相容れがたいものだったのでしょう。


まっとうな職業から締め出されたユダヤ人たちが、
代わりに生業として始めざるを得なかったのが先に述べた通り金融業ということです。


金融業は忌まわしい職業ではあったけれど、大変儲かった。

またユダヤ人は頭の良い民族だなんて言われるけれど、恐らく迫害から身を守る手段を模索する知恵が発達し受け継がれていったのだと思います。
銀行、証券、保険、為替 等の金融システムの原型はすべてユダヤ人が始めたものらしい。

そして彼らの頭の良さは、そのまま財をますます大きくしていって、
ヨーロッパの中で、決して他と交わることはないけれど巨額の富を得ている脅威の民族として認識されていくようになった。


第一次大戦の敗戦によって、貧しさにあえぐドイツの中で、
いろいろ拗らせたヒトラーが、人間の貧富の格差、不幸の元凶と目の敵にしたのがユダヤ人であったというわけです。


ゲルマン民族のナショナリズムが異常に高揚してユダヤ民族のホロコーストにまで至った歴史の実証を見ていると、
行き過ぎたナショナリズムは過ちしか生まない。
かといって、自国の歴史に自虐的になりすぎても良くない。

日本だけではなく、世界各国で奇妙なナショナリズムの活動の起伏が報道されている今、
うーん、歴史がまた徐々に軌道を変えようとしているのかなという気になってきます。



そして大きな流れとして歴史を俯瞰してみると、
その根底には人間の信仰心が深くかかわっているのだとよくわかります。


世界史を教えるにあたって、世界各国の宗教というものがどんなものなのか、
そのあらまし、それぞれの信仰への尊厳を守る大切さ、
そういうことから教えていくべきなんだろうなと思います。


今の教育の現場がどういう指導なのかわかりませんが、
少なくとも私が高校生の頃は、世界の宗教というのは「倫理」という社会科の一科目扱いでさらっと扱われただけでした。


「倫理」 
センター試験でもこれを受験する人って少なそう。
私の身の回りでは国立大理系を選択する子が最低限の労力で取れる社会科科目だと言って選択していた記憶しかありません。

カントとか、ヘーゲルとか、習った気がするけど、とにかく影の薄い科目。


そういう軽視されがちな科目で扱われた宗教。

でも本当は、人々と突き動かし、歴史のうねりを生むその信仰心について、
歴史科目でまず初めに扱うべきなんじゃないかなと思うのです。

Date: 2017/04/01(土)


金融の道徳

このページはクエンティン・マサイスの『両替商とその妻』という絵画をオマージュしました。
(あまり顔が似せられなかった。北方ルネサンス絵画によくいる神経質そうな顔をした男です)

http://www.louvre.fr/jp/oeuvre-notices/%E3%80%8A%E9%87%91%E8%B2%B8%E3%81%97%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E5%A6%BB%E3%80%8B


金融と道徳を語る際によく引用される作品です。
両替商(もしくは金貸し)という賎業につく夫婦を風刺的に描き、道徳心を忘れないようにと諭している絵なのです。



はてお金と道徳とは? と日本人にはあまりピンとこないかもしれないのですが、
実はキリスト教、ユダヤ教、イスラム教において、お金を貸した際に利子を取ることは本来は不道徳として禁止されています。

(さらに補足しておくと、日本人では誤解している人も多いと思うのですが、
 キリスト教、ユダヤ教、イスラム教では信仰する対象は同じです。
 すなわち 神、ヤハウエ、アッラー は呼び方が違えど同じ創造主であり信仰の対象なのです。
 歴史的には ユダヤ教 >>>>>>>> キリスト教 >> イスラム教 の順番で歴史に登場します)


なぜ利子が悪徳なのか?

それは実労働を伴わずに富を得ることがよろしくないとされたからです。
また、金が金を生むことはすなわち、はじめから多くの金を持っていた方が有利なのは当たり前のことで、
格差が是正されずに拡大する一方なのを見通して禁止したのでしょう。

一神教は厳しい環境下で生まれた宗教で、
信仰によって結束された共同体の中で不平等による不和が生じることを避けたかったのでしょう。
厳しい環境の中で生き抜くための戒律であったと思います。


現代でも厳格な戒律を守るイスラム教国では銀行は無利子で運用されていて、
その代わり手数料を得るようなかたちで貸し付けが行われているそうです。



では他の宗教ではどうであるかというと、
紀元前587年に完全に国を失ったユダヤ人たちは、以降の流浪の生活の中で金融業に手を出さざるを得なくなってきた。

土地を持たないということは、農耕も放牧も自由にはできない。
実労働による物質的な富を築いていくことが難しかったのだろうと暗に想像できます。

ユダヤ教の教義では、異民族からは利子を取ることは許されたそうで、
中近東やヨーロッパ各地に離散したユダヤ民族たちは次第に異民族相手の金融業で生きるすべを獲得していった。

自分たちの国を失ったユダヤ人にとって、金融は生きるために必要な手段であったのだと解釈できます。



キリスト教においても、その原点となるユダヤ教の教えを引き継ぎ利子は悪徳で、
教会は厳しく人々に教えを守らせていた。

けれど農耕や航海の技術が発達して交易などの商業活動が活発になってくると、
お金を借りて事業を開始し、利益を得る、という現代と変わらない金融の必然が生まれてきます。

だいたい12〜13世紀頃には、ローマ教会もまあ仕方なく利子を認めるようになってくる。

やがて更なる高みを求めてヨーロッパは大航海時代に突入します。


大航海時代を経て植民地支配、帝国主義へ。
ヨーロッパ列強にとっては誇らしい、輝かしい時代でもありますが、
一方で侵略された側にとっては苦渋の歴史の幕開けでもあります。

侵略の目的は端的に言えばただひとつ、資本を拡大すること。
もはやその欲望を制御する機構は働かなくなってしまったのです。


教会による道徳のコントロールが利かなくなってしまったというのか、
そもそも教会はしばしば時の権力と癒着し、
布教というかたちで自分たちの陣地を押し広げていったというのが正しいところでしょうか。

キリスト教は布教に熱心な宗教でもありますが、
はるばる海を渡る布教活動の裏側には、経済活動的な目的もあったのだと理解するべきだと思います。



植民地支配から始まるその歪みはそのまま現在まで引き継がれて、いざこざは続いています。

イスラム世界はなぜ西側諸国に怒っているのかというと、そういう歴史も踏まえてでしょう。


今現在の歪みはいつから生じてきたのだろう、と考えたとき、
私はローマ教会が利子を認めた頃くらいかなぁ、と思うのです。



Date: 2017/03/28(火)


レモンチーズケーキとオヤ

夫の誕生日だったので、夫が好きなチーズケーキを焼きました。

レモンジャム(自家製)とクリームチーズ、生クリームはあると思いきやなかった!のでヨーグルトで代用。
ケーキの上にはレモンシロップとバター、卵で作ってゼラチンで固めたレモンソースをのせました。

適当に作ってもとても美味しくできました。
というか、チーズケーキ自体がそう失敗することはないお菓子かなぁ。


ところで写真の左側に置いたものはオヤという、トルコの民芸品のレースです。
トルコから通販したものがようやく届きました。

3メートルくらいあって、ネックレス感覚でぐるぐる首に巻いてアクセサリーにしてもいいし、
好きな長さに切って手芸に使ったりしてもいいらしい。
オリエンタルな内装の部屋のカーテンなどを飾っても素敵でしょうね。


色とりどり、いろんなバリエーションがあって本当に素敵。
値段もお手頃価格なのが嬉しい。
友達にプレゼントするために色違いのものも買いました。


華やかな色なので服のアクセントに映えます。
ときめく買い物ができて嬉しかったです。

Date: 2017/03/21(火)


リボンのラリエット

ふと思い立ってリボンのラリエットを作ってみました。


2016年秋冬シーズンのファッションのトレンドはベルベットだったそうですが(雑誌で読むだけで全く実感がない)
手芸店でベルベットのリボンを買ってチョーカーにするだけでオシャレ、という雑誌記事がとても印象に強く残っていました。

ちなみにオトナミューズというファッション誌を毎月愛読しています。
以前はSWEETを買っていたのですが、さすがに三十路を迎えて合わなくなってしまったので数年前に鞍替え。


オトナミューズはトレンド一徹の潔いオシャレ女性誌で、
もう主婦の悩みやら愚痴とか、家計の問題云々なんて絶対に扱いません。
少し若い世代向けになるSWEETもその路線を貫いていて、もう一般読者からの会社や彼氏への愚痴やら笑えるネタ等の投稿は一切扱わない。
他人の給料明細見せてなんていう下世話な記事も一切ない。
あくまでハイトレンド、ファッション一筋なところが他の女性誌と違っていて、
写真も毎回とても美しくて素敵だったので好んで買っていました。(もちろん付録も好き)


オトナミューズの読者層で手芸がどうのこうのと好んでいる人はあまりいなさそう。
雑誌側からも手作りでファッションを楽しむなんて提案は一切ない。

そんな風潮の雑誌だったからこそ、ベルベットのリボンを手芸店で買う、という記事がとても印象深かったんだと思います。


先日ふと、そうだ、ベルベットのリボンを買おう、と思い立って、
どうせなら他に欲しい色のリボンも… とあれこれ材料が増えていきました。


ラリエットにしようと、リボンの裾を止めるワニ口の金具を買い、
コットンパールやレース状のチャームもゲット。
写真左側にあるネズミっぽい動物のチャームは、以前アンティークショップで買ったイヤリングから外して再利用しました。
(イヤリングが結局痛くて合わなかった)

コットンパールを加工するためのTピンという部品やマルカンも用意。
Tピンを使うのも初めてだったのですが、なんとかそれらしくできました。
すごく簡単な加工なので30分もあれば作業に十分でした。


差し色にこういう色があればいいな、という色を選んだのでウキウキです。

1メートルのリボンで作ったので、一巻きして2枚目の写真くらいの長さでした。
もうちょっと長くてもよかったかな。まあいいや。

写真で着ているニットとリボンがさっぱり合っていないのですが、
オフショルダーとか、スクウェアネックのデコルテがあく服に合うかな?
真冬ならタートルネックでもいいですね。

というわけでちょっとした細工でアクセサリー作りを楽しんでいました。



ハンドメイドのアクセサリーって、人様の作品を買うのはとても好きなのですが、
自分ではなかなか作ろうという気が起きませんなぁ…
何せ材料を揃えていく過程が沼だというのがもう、目に見えて目に見えて…

リボンを細工するくらいなら大した材料もいらないのでぱっとやってしまいましたが、
これ以上は、今は手を出さないでおこう… と自重しています。



3枚目の写真は先日帰省したときに撮った、実家のネコ、メロンです。



Date: 2017/03/13(月)


作者の趣味丸出し

このストラウスはスーツがうまく描けたかなと気に入ったのですが、
加工処理するとその細部が消えてしまうので惜しくなって処理前の画像を残してしまいました。

服が好きなので、キャラクターの服装も形や質感がわかるくらいに描けたらいいなぁ、
といつも思うのですが、洋服の細部を描くのってなかなか面倒くさい。
よって服の描写も気合の緩急の差が激しくて恥ずかしい&申し訳ないです…


ところで、キャラクターとして作者の一番のお気に入りはマルセルなのですが
ルックスの好みはドS軍人ストラウスが一番です。
ええ、軍服&黒髪が好きなんです…


というのかもう、この漫画自体、作者の好みがモロ出し(笑)で恥ずかしくてリアルの友人たちに見せられません。
友人たちは誰も私がこんな漫画描いてるなんて知りません。

いつか白状する勇気が出たら教えようかな(笑)
なんなんあんた好みのイケメンばっかり出して、笑えるわ、なんて言われそうでいたたまれない…(笑)


本当に一人でコソコソ漫画を描いていて、
今まで誰かと漫画制作について顔を突き合わせて語り合ったこともありません。

それでも 漫画描き友達ができたらいいなぁ、
大人になったらそもそも新しい友達がそうそうできないなあ、
でもいつか出会えるかもしれないなあ、 

なんて思いめぐらしながら毎日ひっそりと制作しています。


-----------------------------------


メールフォームからメッセージくださったりんご様へ


嬉しいお言葉をありがとうございます。
まだまだ先は長いのでこれからも頑張りますよ。
待っててくださいね^^

漫画が完成してやる気と時間があれば英訳に取り組みたいなぁ、とぼんやり考えたことはありますが、
いやとにかくまずは日本語で先に続けることが何より優先だと肝に銘じております。
Date: 2017/03/10(金)


現行ログ/ [1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21]
スペース区切りで複数指定可能 OR  AND
最新のMessage


**HOME**
[TOP]
shiromuku(u3)DIARY version 1.52