スポンサーリンク

創作回想録 [5] はじめて漫画雑誌を買う

セーラームーンを初めて知ったのは付録のノート

『セーラームーン』直撃世代なのでまぁ、語れることは五万とあります。

どこでセーラームーンを初めて知ったのか、その記憶は人それぞれだと思います。初めての出会いを意識するまでもなく、気がつけばセーラームーンがそこにいたという人も多いでしょう。

私の場合はクラスメイトがこっそり持ち込んだ『なかよし』の付録のノートだったように思います。1992年5月号の付録でした。(ということはこの記憶は4月の記憶)

見たこともないようなキラキラした絵に釘付けになり、速攻で『なかよし』を買いに走る。付録欲しさがセーラームーンとの出会いだったし、漫画雑誌を買う動機でした。

しかし当時、「アニメのセーラームーン」を認知していなかったのがなぜなのか少々不思議です。

セーラームーンは連載前からアニメ化が企画されていた稀有な作品で、アニメの放送開始は1992年の3月でした。1992年4月の段階で相当数の少女たちが夢中になっていたはずなのに、私はなぜセーラームーンを知らなかったのか。

思えば土曜日の夜7時という放送時間だったので家族の夕食時と重なり、テレビのチャンネル主導権が私になかったためと考えられます。

野球のナイター中継ともろ被りするため、父や兄とチャンネル争いを繰り返し、最終的に私一人だけセーラームーンのために別室で夕食を採るという習慣に落ち着きました。母は飽きれていたようにも朧げに記憶していますが、夫と子供たちがテレビを巡ってぎゃあぎゃあ喧嘩しているよりは、孤食してくれたほうが楽だという気持ちだったのでしょう。

その後のセーラームーンの絶大な人気と影響力は皆さんもご存知の通り。今の若い子たちにも人気が再燃しているのが驚きなんですが、BBA的には連載開始したその当時のことを知っているんだぜ、と内心ちょっとだけ誇らしいのでした。

セーラームーン歴代の『なかよし』付録を収めたブログがある

セーラームーン保存会」というブログをこの記事を書くために調べていて見つけました。

なんと歴代の『なかよし』の付録を写真付きで収めていらっしゃる。「ああ~こんなのあったあった」と脳汁がドバドバ溢れ出てきました。

毎号の目玉付録はその雑誌の一番の人気作が担うものですが、連載開始してすぐの頃のセーラームーンはシールがせいぜいという感じだったのですね。

私が初めて『なかよし』を買った1992年5月号から目玉付録の役を担ったのか。その後はノート・ビニールバッグ・トランプ・レターセット… とコスト高の目玉付録の目白押しだったんだなと改めて思い出し、付録が何よりの楽しみだったあの頃の感情とリンクしてなんとも幸せな気持ちになりました。

創作の原点、漫画雑誌

そもそも私も漫画を描こうと思い至ったきっかけは何だったかというと、大量の漫画に触れたから、という結論になる気がします。漫画作品を一作、二作程度しか知らなかったら、漫画を描こうという発想にはならなかったし、自分でも描けるという意識すら芽生えなかった。

そういう意味で、私の創作の原点は複数の漫画作品が集結する漫画雑誌との出会いということになります。

『なかよし』は、たとえ今少女向けの漫画を描いていなかったとしても間違いなく私の原点でした。

しかし不思議なもので、私が『なかよし』『りぼん』『ちゃお』の三大少女漫画雑誌を読んでいたのは3年にも満たない期間です。それなのに人生で一番濃ゆい漫画体験として記憶されています。

幼少期に触れるものの影響力の大きさを今改めて振り返って実感して、その仕事の恐れ多さに感服するばかり。私に幼年齢向けの漫画を描けと言われたところで「ようやらん」と断ると思います。言われるわけがありませんが。

大人向けの漫画を描いているから好き勝手やれているのであって、人様のお子の人生にとんでもない影響を与えるかもしれない幼年齢向けの作品を描けと言われたら、滅相もない、私には無理でございます、と退散するのが目に見える。そんな大変な大役を担う幼年齢向け作家さんたちは本当にすごい、よく描いてくださっている、と敬服します。

そんな『なかよし』に関する記憶のネタはまだまだたくさんあるので、この先も小出しにしていこうと思います。



タイトルとURLをコピーしました