2020/03/01
Pearl
先のエントリーでMediæval Bæbesについて語ったので、つい懐かしくなり色々聴き直していました。
高校生の頃からのファンなので、ベイブスの曲を聴くとその時々の自分の記憶まで蘇ります。
初期のMediæval Bæbesの曲の中でも大好きなうちの一つ。
14世紀英国中世詩『真珠(Pearl)』より
物語の概要はこんな感じ。
幼い娘を失って悲嘆に暮れていた男がある日、夢の中で美しいレディに成長した娘と再会する(娘の名が真珠)
そこは宝石がキラキラ輝く小川の流れる、天国のような箱庭だった。
娘は父に喪失を克服するよう語りかける。
それでも父は娘の元へ行きたいと小川を飛び越えようとした瞬間、夢は覚め現実に戻る。
参考wiki:『Pearl (poem)』
Mediæval Bæbesの曲では原文の第三節が歌われています。
著者不明ですが、唯一の原典『コットン写本』に同じく収録されている『ガウェイン郷と緑の騎士』と同じ作者だと考えられています。
後者の方が有名ですね。私もアーサー王物語の中で一番好きな話です。
『Pearl』は極めて精巧な構成がされており、1212行の長さ、12節で成り立っている。
天国の門は12ハロンの長さ、12か所ありそれぞれ真珠でできているという、12という数字への象徴性が込められています。
大英図書館のサイトで挿絵の高解像度写真が見れるので興味あれば是非見てみてください。
大英博物館コレクション:『Pearl』
ちなみに『ガウェイン郷と緑の騎士』の挿絵も閲覧できます。
大英博物館コレクション:『Sir Gawain and the Green Knight』
https://www.bl.uk/medieval-literature/articles/sir-gawain-and-the-green-knight-an-introduction
中学時代、アーサー王物語にハマって色々読み漁りましたが、この物語が一番痛快でガウェインがカッコイイので好きでした。
大変勉強になる解説はこちらでどうぞ。
参考リンク:中英語アーサー王ロマンス『ガウェイン卿と緑の騎士』
古典詩の世界はじっくり勉強したいところです。