
ミディーヴァル・ベイブスのアルバムの中でも最初にご紹介したいのは最大のインパクトを誇る「The Rose」でしょう!
ベイブスの音楽はキリスト教的であってなおかつ悪魔的でもあります。異端的な、邪悪な、そんな負の雰囲気が最も強いのがこのアルバムです。最新作「Milabilis」では若干毒気が抜けて昔のベイブスに戻った感じがしますが、この作品ではベイブスたちの妖女っぷりをたっぷり披露してくれていますよ。
このアルバムジャケットからしてただならぬ妖気を感じます。アールヌーボー風味でしかもファム・ファタルを彷彿とさせるこのデザインが大好きで、今でも一番のお気に入りであったりします。
美しいのは表紙だけでなくて、ジャケットの中身でもベイブスたちがそれぞれ意匠を凝らした衣装を着ていて(下手な駄洒落申し訳ない)それが凄いのなんの。ファッションの仕事をしている友人に思わず見せつけたほどでした。音楽・ジャケットデザイン共々なかなか完成度の高い一枚になっています。
さて「The Rose」の中でも何が一番のインパクトかというと、一曲目の「I am Eva」でしょう、やっぱり。アルバムジャケットサイトにフル視聴のできるページをリンクしておきました。
(ついでにベイブスの他のアルバムもこちらで視聴できます。この太っ腹!殿様!
http://www.nettwerk.com/artistpage.jsp?artist_id=645&mode=discog)
アルバム全曲がフルで視聴できる太っ腹サイトですよ、長らく消滅していてとても惜しく思っていたのですが、再び復活してくれました。とても嬉しいです。
どうしてもこの音楽を皆さんに知っていただきたかったので下手くそ全快で翻訳してみましたよ。恥ずかしいですが、歌詞の意味はだいたいこんな感じです。
「私はイヴ 偉大なるアダムの妻
神を侮辱したのは私
子供たちから楽園を奪ったのも私
正常心で その木をやりすごすべきだったのに
私は自分の土地に立派な家を持っていたのよ
嘆かわしい 私の名を汚す悪魔の選択よ
私を憔悴させる罪の罰
ああ! 私の手は清らかではないの
リンゴの実をもぎ取ったのは私
私の貪欲の抑制をふりきって
それゆえに女は愚かをやめることができない
この日のうちに生きている限り
そこにはどこにも凍てつく氷はなかったでしょうに
そこには湿って風吹きすさぶ冬もなかったでしょうに
そこには地獄もなく 悲しみもなかったでしょうに
そこには恐れもなかったでしょうに でも私のためではないの」
4行詩で構成された、11世紀アイルランドの作者不明の詩です。
アルバムを買った当初は詩の内容など全然分からず、ただこの凄まじい迫力の歌に圧倒されました。もう何度も何度も聴きましたよ。未だに聴いても恍惚となりますよ。この虜にさせてしまう魔力が、ベイブスの魅力でもあります。
アルバムを通して悲劇的・残酷な詩が多いのが今作の特徴でしょうか。イヴのモチーフを始めにもってきたあたりからして、ファム・ファタル的退廃感を表現したかったのだと思います。
せっかく無料で全曲視聴できるサイトがありますので、是非楽しんでください。そして気に入ったら、ベイブスを応援するために買ってくださいな。
愚痴ですが、ベイブスに関する日本語文献が殆どないので持っている資料を全て自分で翻訳してファンサイトを作りたいとずっと以前から考えていましたが、英語の難しさに頭を打っています。ベイブスの書籍で使われている英語なんて、現代英語のはずなのに何言っているかさっぱり分からんのですよ。ここまで壊滅的に読めない英語なんて、と自分の実力のなさが情けなくなる。
詩の翻訳なんてもっと無理です。外国語の詩を日本語に翻訳することはオリジナルの詩を作ることと同じくらい難しい、という翻訳者の言葉を昔読んだことがあって、ああそりゃ私には無理だと落胆しました。
でもいつか、ベイブスの詩を翻訳できるようになりたいです。歌詞ページに現代英語で翻訳がついてあっても未だに意味不明な詩も多くて、そこに込められた謎を知りたいですよ。